洋風建築探報記 洋風建築 神戸旧居留地15番街

神戸旧居留地15番街

旧居留地15番

新年にあたり神戸に出かけました。
お買い物がてら出かけた三宮を少し外れて訪ねたのは、旧居留地。
とてもアクセスが良くて訪れやすいところです。

居留地とは、神戸港を開港して入ってくる外国人のために国は住む土地を提供する必要がありました。
トラブルなどを避けるために、外国人と日本人の居住区を分ける必要があったのです。
それが居留地。15番というのは割り当てられた番号で、そのまま住所に使われているそうです。
神戸の居留地は土地の提供をするのに準備の時間がなく、提供したものの土地が足りずに居留地の他に雑居地という日本人と外国人が混在する場所も提供しました。
そのために、神戸では西洋風文化が民間に浸透していきハイカラな文化が生まれていったのだそうです。

旧居留地15番

居留地15番街は、バルコニーがある、コロニアルスタイル。これスターバックスでも出てきましたね。
ヨーロッパ諸国に比べて、暑い東南アジア。バルコニーが迫り出していることで日除けになり涼しく過ごせるように作ってあるということ。バルコニーが日除けのためなんて考えたことなかったですが、よく見るとバルコニーがあるおかげで一階の玄関も、二階の部屋にも直接日差しが入りません。確かに、夏場の直射日光はかなりの厳しさですから、なるほどと思います。
立て看板によると、

木骨、瓦造2階建、寄棟造、桟瓦茸で2階は南側両端にペジメントをつけ、コロニアルスタイルの開放されたベランダを持ち、外観は石造風意匠となっています。

メインの大きな屋根は四方に屋根の傾斜がある寄棟作り、手前を向いている二つの出窓のようなデザインになっている部分にある屋根のことを「ペジメント」といっているようですね。これは切妻屋根と言って棟の両側に屋根の傾斜がある状態の正面部分が、平らな三角になっていることを言うようです。

看板の説明によると阪神大震災ではこの居留地15番街は全壊してしまったとか。
部材を回収して復元されたものとのことです。壊れてぐちゃぐちゃになったものを元に戻すなんて・・・想像を絶する苦労があるように思えます。

ついでと言ってはなんですが、周辺のビルもおしゃれな建築がたくさんありそちらも何件か見て歩いていきました。
商船三井ビルは思わず見上げる壮観さ、このビルは渡辺節という日本人の有名な建築家の方のデザインだそうです。
大正時代に立てられたもので、当時から残るオフィスビルとしては最古なのだとか。当時のアメリカのビル建築を参考にデザインされたものとのこと、規則的に並ぶ窓のデザインが近代的ですね。

散歩しながらそのままメリケンパークへ抜けると海が広がり船の航行が見えています。
港町そして外交の入り口としても栄えた歴史の一旦を垣間見られる時間となりました。

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